美しい歯並びや白い歯を維持するだけでなく、むし歯や歯周病の予防も大切です。定期検診はその予防策の1つであり、歯科医院での検診は日常のケアと同様に重要な役割を果たします。今回は定期検診がむし歯や歯周病の予防になぜ重要なのか、そして歯科医院で行う定期検診のメリットについて解説します。
目次
■セルフケアだけではむし歯や歯周病は予防できない
特にむし歯は、ストレスや食生活の変化などで知らない間にできてしまうことが多いため、ご自身のセルフケアだけでは予防が難しいです。また、歯周病も同様で間違ったブラッシングをしている方や、喫煙者の方は知らない間に歯周病が進行している可能性があります。
反対に、むし歯がない人や歯周病に罹患していない方でも完璧なブラッシングができているとは言い切れません。調査によると、むし歯ケアを意識していても、20〜30代の方のうち約30%の方が初期のむし歯があるという結果でした(※)。
※ 出展:ライオン(株) ,20~30代の「磨き残し」実態
「資料4_良好群のうちむし歯ケア意識層の年代別むし歯の状況」2014年
■定期検診はなぜ大事なのか?
◎早期発見・早期治療の実現
定期検診は、患者さまそれぞれのお口の状況を把握するとても大切な機会です。むし歯や歯周病は初期段階では症状が軽く、自覚症状がないことが多いため、患者さまご自身の判断だけでは気が付けない場合もあります。歯科医院で診てもらうことで、気が付けないほどの前兆も発見することができます。早期に発見された場合、治療も短期間で済ませることができます。
◎予防処置の提案が可能
定期検診では、歯科医師・歯科衛生士が個々の患者さまに合わせた予防策を提案します。むし歯や歯周病の予防は日常のセルフケアだけでは限界がありますが、専門的なアドバイスを受けることで、より効果的なケア方法を学ぶことができます。例えば、歯ブラシの選び方や適切なブラッシング方法、フッ素の使用などを知っていれば、日常のセルフケアの質は高くなります。予防処置は長期的に見ればコストや時間の面でもたくさんのメリットがあります。
◎歯の健康状態を把握できる
定期検診では、過去の治療経過や歯の健康状態をチェックすることも重要な要素です。むし歯や歯周病は再発のリスクがあるため、定期的な経過観察が必要です。これにより、進行を防ぎ、適切な治療やケアを行うことができます。
◎健康な口内環境の維持
むし歯や歯周病は、口内の細菌やプラークの蓄積によって引き起こされます。定期検診による予防やクリーニングは、原因菌の除去につながり、健康な口内環境を維持することができます。これにより、口臭や歯肉の炎症などの症状も軽減されます。
【お口の中を健康に、むし歯や歯周病を防ぐために】
むし歯や歯周病の予防には定期的な歯科検診が不可欠です。早期発見や適切なクリーニング、個々の予防計画の立案による口内環境の改善、口腔内全体の健康の維持など、さまざまなメリットがあります。
予防のためには自己管理も重要ですが、歯科医師・歯科衛生士による予防処置や定期的な診療を受けることで、より健康な口内環境を維持することができます。
「自分は大丈夫かな?」
と気になった方は、3~6か月に1度の定期検診を始めてみませんか?