むし歯は、むし歯菌によって引き起こされる病気です。初期段階では歯がしみるなどの痛みを感じることがありますが、放置していると痛みが治まってしまうことがあります。しかし、痛みがなくなったからといって、むし歯が自然に治ったわけではありません。むし歯が進行している可能性があり、放置することは非常に危険です。
目次
■むし歯の進行について
◎初期のむし歯は痛みを感じないことがある
むし歯は、歯の表面のエナメル質から進行し、内部の象牙質や神経にまで達することがあります。初期段階ではエナメル質に小さな穴が開き、これがむし歯の始まりとなります。しかし、穴が小さくエナメル質には神経もないため痛みがなく、気づかないまま放置してしまうことがあります。
◎中期のむし歯は痛みを感じる
初期のむし歯は放置すると進行し、象牙質や歯髄(神経)にまで達すると痛みが出ます。
痛みを感じる仕組みとして、象牙質の内部には象牙細管と呼ばれる中空構造があり、そこから歯髄の神経が刺激されることで痛みが生じます。
■さらに進行したむし歯はどうなるのか
◎むし歯を放置していると痛みがなくなる場合もある
象牙質や神経にまで達したむし歯を放置していると、やがて痛みがなくなる場合があります。
歯の神経が最近によって汚染され死んでしまうことで、痛みの感覚がなくなってしまうのです。
■失活歯について
むし歯や外傷などによって歯の神経が死んでしまった状態を失活歯といいます。むし歯が進行し、神経にまで達すると歯の内部に感染が広がり、神経が壊死してしまいます。壊死した神経は栄養を失い、歯は次第に色が変わり、黒ずんでいきます。
■失活歯のリスクと予防方法
◎失活歯のリスク
まず、歯の内部に感染が広がることにより、膿がたまる可能性があります。この場合、膿が歯の根の先にある骨にまで広がり、骨の破壊や顔面の腫れ、歯ぐきの腫れなどの症状が現れることがあります。
また、失活歯は根管治療や抜歯が必要となることが多く、歯を失う可能性もあります。歯の抜歯は噛み合わせの変化や隣接する歯の移動を引き起こし、さらなる歯の問題を引き起こす可能性があります。
根管治療についての詳しい内容はこちらの記事をご参照ください。
◎ 失活歯の予防方法
むし歯の早期発見と治療が重要です。定期的な歯科検診や歯磨きの徹底、食事の管理などが効果的です。また、痛みがなくなったからといって放置せず、歯科医師の診断を受けることを推奨します。早期のむし歯治療によって、失活歯やその合併症のリスクを減らすことができます。
【むし歯を早期発見・治療するために定期検診に通いましょう】
痛くなくなったむし歯は自然に治ったわけではありません。むし歯の進行は止まらず、さらなる歯の破壊や合併症のリスクが高まります。失活歯となると、根管治療や抜歯が必要となり、歯を失う可能性があります。むし歯の早期発見と治療、定期的な歯科検診、適切な歯磨きや食事管理が大切です。痛みがなくなったからといって放置しないようにしましょう。