歯の治療において、見た目や機能性を重視する方が増えています。特に白い人工歯は美しさを保つために非常に人気があります。しかし、保険適用となる治療法が限られているため、その選択肢は限られています。そこで注目されるのが「CAD/CAM冠」です。
本記事では、「CAD/CAM冠」の治療における保険適用の条件について詳しく解説します。
目次
■CAD/CAM冠とは何か?
CAD/CAM冠とは、3Dカメラで口腔内をスキャンし、スキャンしたデータをもとに作成する人工歯のことです。これにより、高精度で適合性の高い白い人工歯を比較的短期間で作成することが可能です。
■CAD/CAM冠の特徴
◎高精度
コンピュータ支援技術により、非常に精密な設計・製造が可能です。
◎審美性が高い
白い材料を使用するため、見た目が自然で美しいです。
■保険適用となる対象部位
CAD/CAM冠は2024年6月の改定により、全ての部位が保険適用となり、保険適用の条件が一部緩和されました。
以前は、第一・二大臼歯にCAD/CAM冠をかぶせる場合は、金属アレルギーの方で医師による診断書をお持ちの方のみが対象でしたが、金属アレルギーの方でなくても条件付きでCAD/CAM冠を選択できるようになったのです。
具体的には、以下の条件を満たす必要があります。
必須条件:
上下両側の第二大臼歯が全て残っており、左右の咬合支持(噛みあう歯)がある場合。
どちらかの条件:
- CAD/CAM冠を装着する部位と同側に、他の大臼歯による咬合支持がある場合。
- CAD/CAM冠を装着する部位の手前までは自分の歯がある状態かつ、噛み合う歯が義歯または歯が無い状態。
※厚生労働省 令和6年度診療報酬改定の説明資料参考
■保険適用の条件
保険適用となるためには、以下の条件を満たす必要があります。
◎健康保険の加入
日本国内の健康保険に加入していることが条件となります。
◎歯科医師の判断
治療を行う歯科医師が、CAD/CAM冠が適応可能であると判断した場合に限られます。
■保険適用外のケース
以下の場合は、CAD/CAM冠の治療が保険適用とならないことがあります。
- 前述の保険適用の条件を満たさない場合
- 審美性を重視した前歯部
■CAD/CAM冠のメリット
◎美しい仕上がり
白く自然な見た目を実現できるため、従来のような銀歯に比べると見た目が美しいです。
◎高精度
精密な設計により、フィット感が良いです。
◎短期間
その他のクラウンに比べて、製作期間が短いです。
◎他の噛み合う歯にダメージが起きづらい
天然歯の噛み心地に近いため、噛み合う歯や周囲の歯にダメージが起きづらいです。
◎自由診療に比べると安価
自由診療の白い材料、セラミックなどに比べると安価で製作できます。
◎金属アレルギーの方でも使用できる
金属を使用していないため、金属アレルギーの方もお使いいただけます。
■ CAD/CAM冠のデメリット
◎適用部位の制限
保険適用となる部位が限られています。
◎耐久性の問題
金属や自由診療のクラウンに比べると、耐久性に劣ることがあります。
【白い歯のご相談は気兼ねなくお申し付けください】
CAD/CAM冠は、高精度で美しい仕上がりを実現するための優れた選択肢です。しかし、保険適用の範囲が限られているため、治療を受ける前にしっかりと条件を確認することが重要です。「自分の歯が保険適用かいまいちよくわからない…」という方は、お気軽にご相談ください。