PMTCという言葉を耳にしたことはありますか?私たちが日常的に行う歯磨きでは取り切れない歯垢(プラーク)や歯石を徹底的に除去することで、むし歯や歯周病の予防に大きな効果を発揮するクリーニングのことです。今回は、PMTCの具体的な手順やその効果について詳しく解説します。
目次
■PMTCとは?
PMTC(Professional Mechanical Tooth Cleaning)は、歯科医院で行われる専門的な歯面清掃のことを指します。通常のブラッシングでは取り除けない歯垢や歯石、バイオフィルムなどを専用の機器と技術を用いて徹底的に除去します。
■PMTCのメリット
◎むし歯予防
PMTCは、むし歯の原因となる歯垢を効率的に除去することで、むし歯の発生リスクを大幅に減少させます。特に、歯と歯の間や歯と歯ぐきの境目など、ブラッシングでは届きにくい部分の清掃が可能です。
◎歯周病予防
歯周病は歯肉炎から始まり、進行すると歯を支える骨が溶ける「歯周炎」へと進展します。PMTCは、この歯周病の原因となる細菌を取り除くため、歯周病の予防にも非常に効果的です。
◎口臭予防
口臭の大きな原因の一つは、口腔内の細菌の繁殖です。PMTCによって歯垢や歯石が取り除かれることで、細菌の繁殖を抑え、口臭を予防する効果があります。
◎審美的効果
PMTCは、黄ばみやステイン(着色汚れ)も取り除くので、歯の美しさを保ちます。定期的に行うことで、白く輝く歯を維持することができます。
■PMTCの方法
◎スケーリング
まず初めに、歯石を超音波の機械で取り除くスケーリングを行います。これにより、歯に付着した硬い歯石が除去されます。スケーリングには手用スケーラーや超音波スケーラーが使用されます。
◎ポリッシング
ポリッシングカップやブラシを使って、歯の表面を磨き上げます。これにより、歯の表面がさらに滑らかになり、細菌の付着を防ぎます。
◎フッ素塗布
最後に、フッ素塗布が行われることがあります。フッ素は歯の表面のエナメル質を強化し、むし歯の予防に役立ちます。
■PMTCを受けるタイミング
PMTCは定期的に受けることが推奨されます。一般的には、3~6ヶ月に一度の頻度で行うと良いとされています。定期的なPMTCにより、むし歯や歯周病の予防効果が高まり、健康な口腔環境を維持することができます。
■日常のケアの重要性
毎日の歯磨きやデンタルフロスを使ったフロッシングは、むし歯や歯周病を予防する基本的な手段です。歯ブラシやデンタルフロス、歯間ブラシを使って、自分でできる限りの歯垢(プラーク)除去を行うことが重要です。しかし、どんなに丁寧に磨いても、細かい部分や歯と歯の間、歯周ポケットなどには磨き残しが生じがちです。これがむし歯や歯周病の原因となるため、定期的なPMTCが推奨されます。
■PMTCと日常のケアの相乗効果
PMTCは、日常のケアでは取り切れない細菌や歯垢(プラーク)をプロフェッショナルな手技で徹底的に除去します。これにより、歯周病菌の繁殖を抑え、歯の表面を滑らかに保つことで歯垢(プラーク)の再付着を防ぎます。さらに、フッ素塗布やシーラント(予防充填)と組み合わせることで、むし歯予防効果が一層高まります。
【日々のケアに定期的なPMTCを加えて、健康な口腔内を目指しましょう】
定期的にPMTCを受けることで、健康な口腔環境を維持し、口臭予防や審美的効果も得られます。日常のケアと定期的なPMTCを取り入れ、健康的な口腔内を目指しましょう。